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患者インタビュー:適応障害





原木公子さん(仮名)

適応障害13歳 

CBD使用歴4ヶ月

CBD摂取量100mg/day(45kg)



【症状、治療について】

Q:お母さまに伺います。公子さんのご病気について教えてください

8歳の頃、学校での人間関係のもつれから塞ぎ込むようになりました。学校に行きたくない、眠りに入れない、途中覚醒、朝方まで寝られないなど、常に睡眠不足で不眠症となりやがて不登校になりました。娘の身体がもたないと思い、小児精神科を受診。心理テストやいろんなことを調べた結果、適応障害と診断されました。


Q:どのような治療を受けられましたか?


セカンドオピニオンで3〜4人のお医者さまにかかりました。何が原因なのか、どうなっているのか調べてばかりいました。先生それぞれ仰ることが異なるんです。双極性障害、統合失調症、発達障害ADHDとASD。この4つ全てだと仰る先生もいました。双極性障害、統合失調症などの精神疾患については娘の年齢だと診断がつかないそうです。当時の私は何とか治さなければと一生懸命になり過ぎていたのかもしれません。原因が特定できないと治療に結びつかないと思っていましたのでお医者さまを渡り歩いていた状態でした。

娘の場合は酷い不眠で塞ぎ込んでいる状態から始まりました。発症当時から今もお世話になっている先生に"もしかしたら複雑性PTSDではないか”と伺ったところ、”そうかもしれないが仮に複雑性PTSDだったとしても今の日本ではこの症状に対しての治療体系が確立されていない”と。診断され薬が処方される、という治療体系ではないということです。先生からは、”日本には数少ないかもしれないけれども専門に研究されている先生がいるので自分で探してきてくれれば紹介状は書くよ”と言われました。今の医療では難しいと限界を感じてしまいました。


【躁鬱ジェットコースターの日々】

Q:公子さんの当時のご様子についてお話頂けますか?

フリースクールや精神科のデイケアに通うことで少しずつ心に落ち着きが戻り、支援のある学校に転校しました。中学校へ進学し、そこでまた人間関係に悩み、精神状態が悪化しました。塞ぎ込んで自分は悪くないのに自分を責めてしまう、突然泣き出すなどの鬱症状がありました。死にたい、ということもよく言っていました。小児精神科でカウンセリングを受けながら、心のケアとともに投薬を進めていきました。鬱の疑いで薬を試しましたが、副作用で更に悪化。落ち込みが酷いと死にたいと言って、包丁を取り出して自分を傷つけたり家を飛び出したりすることもありました。気晴らしにテーマパークに連れて行くと頑張り過ぎてしまうのか、バタッと倒れてしまいます。意識はあって目も開いているのですが、身体が動かなくなってしまう解離性症状と言われる症状です。学校でも倒れることがあり、入院を勧められましたが本人の希望で自宅で療養していました。

鬱の症状、イライラ、あとで分かったことですが、双極性障害だったようです。

今まで知らなかったのですが、躁の時は明るくなるのかと思っていたらイライラが強くなり、1日の中でジェットコースターのように躁と鬱が自分でもコントロールできないくらい押し寄せてくる、本人はとても辛い症状に悩みました。身体は不眠症が続いていて辛いですし、日中の酷いだるさ、疼痛、胃腸の不調、呼吸が苦しいなど、心以外の部分、身体にも顕著に症状が出ました。私は鬱に関する本を読むなどして、鬱は心だけではなく身体にだるさや痛みなどの症状が出てくることがあると知りました。知った時にはただ成す術もない状態でした。


Q:躁と鬱、ジェットコースターのような症状の時はどのように対応されていましたか?


最初は包丁を取り出したら、全部取り上げて見えないところに隠し、私が使うときはそっと出してまた隠してというようにしていました。刃物以外にも尖っているものは家の中にいくらでもあるので、当時は鉛筆も気になって隠していました。危ないもの、すぐに手に取るものは隠し、背中をさすって、水を飲ませて落ち着かせるなどの対応をしました。不安症、パニックのサポートサイトに登録にしていたので、ツボを押したり、バタフライハグ、ミントやアロマが良いと聞き、その中からどれが効くか試したりしていました。

イライラに関しては、今は躁の時が来たかな、という時は私はそっと視界から消えるなどして言い争いにならないよう、躁状態が酷くならないように気をつけました。私は気晴らしに出かけたり日記を書くなどして過ごしていました。私自身、その時は少し心が病んでいたかもしれません。


Q:自傷行為はありましたか?


夜中に怪我をして出血することはありましたが応急処置をする程度で済みました。縫うまでの傷にはならず、本人も病院に行くほどではないと言うので病院に運ばれることはありませんでした。今でも少し傷が残っていますが、本人も”あの時は辛かったなぁ。消えるかな、これ。”という感じで少し落ち着いて振り返ることができるようになりました。


【CBDとの出会い】

Q:お母さまにはご家族以外で相談できる方はいましたか?

最初は主治医の先生でしたが、私もカウンセリングを受けることができましたので、娘と同じ先生に定期的にカウンセリングを受け、娘の状態や接し方など、例えば”学校は行きたいと本人が言えばいいけど無理しないでくださいね”とアドバイス頂くなど助けていただきました。あとはやはり友人が一番助けてくれました。娘と同じ適応障害のお子さんを持つ友人は自身の体験を通して具体的にアドバイスしてくれました。一番辛かった時に親はどうしたらいいか、気持ちを聞いてくれる友人の存在は大きかったです。

そして、もう1人はCBDと娘を繋いでくださった薬剤師の松峰さんです。高校の同級生で部活も一緒でした。同窓会の幹事をしてくださったり皆んなをまとめたり助ける活動をたくさんされていたので、当時から頼りにしていました。友人でもある松峰さんには娘が発症した時から相談していましたが、今年に入って娘の話をしたときに“カンナビノイド飲んでみたら?”と勧めてくれたのがCBDとの出会いでした。


Q:CBDを始めようと思われたきっかけ、心境の変化についてお話頂けますか?


様々な症状の中でも不眠症が酷かったので、導眠剤、抗不安剤などの薬を服用していました。また、多動性ADHDや統合失調症の疑いもあり色々と薬を試しました。しかし試しては効果がない、ということの繰り返しでした。薬の副作用で太ったり、不眠に関しても強制的に寝るけれども深く眠れない状態に、薬がこの子には合っていないのではないかと思うようになりました。そこから自分で栄養療法や分子栄養学のオンライン講習を受けて勉強するようになり、主治医と相談して栄養療法に切り替えて服薬量をかなり減らしました。するとバタッと倒れる解離性症状や太ることが少なくなりました。

結果として娘には薬が合っていなかったんだと一年くらい前から感じるようになりました。そして、ふと思いました。娘が学校に行けない状況や不安定な精神状態を抱えて辛い思いをしているこの期間は、考え方によっては子供と一緒に過ごせる時間が増えたのではないかと。普通は22歳で社会人になるわけですが、それが少し遅くなっても追いつけばいい、学校に行かないと大人になれないわけではない、とだんだんと私の中でもいい意味でいい加減になってきました。考え方が変わり気持ちが緩んだところでCBDの話を聞きました。試してみたいと思いました。



【CBD服用を開始して】

Q:初めてCBDを試した時、公子さんの反応はいかがでしたか?


患者会入会の際、正高先生にカウンセリングして頂きました。とても安心して使い始めることができました。今まで薬を飲んでも効果がなかったので、娘は呆れている様子でしたが、服用前にCBDの成分のことから説明をして摂取を始めました。CBDを溶かす為に使っているMCTオイルは普段から取り入れていたものだったので、娘も抵抗なく始めることができました。特に嫌がる様子はありませんでした。


Q:服用してからの変化について教えてください


飲んですぐに何かが変わったということはありませんでした。10日ほどしてから、松峰さんが遊びに誘ってくださって、娘と久しぶりに外出しました。家族以外の人と出かけるのは久しぶりだったので心配していましたが、躁や鬱が出ることなく楽しく過ごしていたので、あれ?もしかしたら効いているのかな?といつもより気持ちが安定しているように感じました。

1ヶ月ほど経った頃、薬で太ったこともあって、健康な食事に切り替えてYouTubeを見ながら筋トレや運動していた娘が、もう少し頑張りたいから水泳をやりたいと言い出したのです。今まで、絵を描きたい、アニメを見たい、食べたい、寝たい、と言うことはありましたが、水泳をやりたいと言い出したので嬉しくなりまして、私も一緒にプールで運動しました。体力がついてきて1ヶ月くらい続けると体調が良くなってきて、カンナビノイドとの相乗効果があると感じました。その後も自律神経を整えるために鍼治療を試してみたり、調理をするようになるなど自発性が出てきました。本人は痩せるために、例えばマカロニグラタンのマカロニを豆腐に変えてレシピを見ながら作ったり、私が疲れていると、”一品作るよ”と言って、スープだけ、とか炒め物か煮物など、一品作ってくれることが増えてきました。

鬱症状が半減し、自分でやりたいことを考えて行動に移す気力が出てきたのが大きな変化だと感じています。また、薬をやめてからも自傷行為がゼロではなかったので、時々あれ?と思うような傷があったことはありましたが、CBDを飲んでからはそういった自傷行為が一切なくなりました。


Q:現在の投薬状況について教えてください

鬱の薬は合わなかったので一切やめました。CBDを開始するときにデパケンという薬の服用量を1/4に減らしました。飲み忘れても特に影響はないので、やめてもいいかなと思う量です。他には弱い導眠剤を飲んでいます。まだ寝つきが悪く中途覚醒があり、もう少しゆっくりと寝て身体を休めることが出来ればいいのですが。日中の身体のだるさ、疼痛や胃腸の不調、就寝時や起床時のイライラなど脳の興奮がまだ少しある状態です。


Q:主治医の先生にはCBDのお話はされましたか?


もちろんです。正高先生から、服用開始前に主治医の先生には了解を取っておきたいとお話がありました。まず次の受診までに1週間あったので薬を減らしてみて様子をみたいと主治医に相談しました。デパケンを4錠から2錠、そして更に1錠に減らして、全く影響がなければCBDの効果を純粋に見れるので、”薬を最小限にした状態で始めたい”と主治医に伝えたところ、”わかった、いいよ、是非試してみなさい”と了解を得ることが出来ました。CBDのことはご存じのようでしたが、治療のご経験はなかったようです。主治医からは継続して薬を処方して頂いていますが、”基本的にはCBDの効果をみる方向で良いですよ”と言っていただいています。

娘の場合は症状が様々あり診断もすべて疑いに留まっていたので、患者自身が良い悪いを見極めながら前に進んでいくことを先生は応援してくださいました。

週1回のカウンセリングを受診する中で、水泳を始めたり、登校の機会が増えお友達とも上手にやっていることをカウンセリングの先生から主治医に伝えてくださり、先月には主治医から”山越えたね”と言っていただきました。今後も受診は続きますがCBD中心に切り替えていく予定です。


Q:CBDを使っていて困っていることや悩んでいることはありますか?

特にありません。不眠や身体のだるさ、睡眠障害に関わる身体の不調に対して、別のカンナビノイドで補えるかどうか、少しずつ併用して試してみたいと考えています。


Q:大変貴重なお話をありがとうございました

最後に患者会へのご意見などがありましたらお聞かせください


CBDに助けられたのでお礼をお伝えしたい気持ちでいっぱいです。

患者会のインタビューを読んでいると皆さんもっと辛い症状をお持ちの方の記事が多いので、私と娘の体験が役に立つか分かりませんが、私がインタビューを受ける事で、試そうかなという方が出てきてくださると嬉しく思います。

コロナ禍で登校できない期間があったり、思春期で鬱憤が溜まっているお子さんが増えているのか、通っている小児精神科も外来がいっぱいです。私が見る限りでは鬱で悩んでいるお子さんが増えているのではないかと感じます。

CBDの効き方に個人差はあると思います。娘はCBDが”どの薬よりも効いている気がするし、これからも続けていきたい”と言っています。たまたま娘の鬱症状にCBDが効いたということではありますが、心身の不調の原因がひとつだけではない複雑な症状に悩む中でCBDと出会い、今に至ります。

とにかく試してみよう、と思われる方がいらっしゃったら患者会に入って頂いてトライすることで何か突破口になる良いきっかけになればと思います。

既存薬のようにピンポイントで作用するのではなく幅広い効果があり、心身の不調に働きかける、ホルモンのようでもありながらサプリのように摂取もできる、また体内にも存在するという非常に不思議なカンナビノイドが、どうして今まで知られてこなかったのかなと思います。難治性てんかんなどの辛い症状をお持ちの方や私どものように原因が分からなくて困っている、薬も効かない、治療体系がないから自分で探してきなさいと言われて突き放された状態で頑張っている方にこのメッセージが届くといいなと思います。

悩みを抱えておられる方に、一刻も早く手に届くようにと願っています。


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