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執筆者の写真患者会 カンナビノイド医療

患者インタビュー:大田原症候群

更新日:2022年11月6日






双子ちゃん(姉妹) 1歳5ヶ月

 難治性てんかん(大田原症候群)

CBD使用歴 7ヶ月


ご両親がインタビューに応じてくださいました。


Q:お子さまのご病気について教えて頂けますか?


(母)双子の姉妹で、てんかんの発作があります。

ウエスト症候群と言われていましたが、先日の遺伝子検査の結果、大田原症候群と診断されました。


Q:発症したときの様子を教えてください


(母)生後1ヶ月の頃、[妹]の右足のピクつきに気付きました。その後、顔の強張りや手足の動きが気になりました。病院で診てもらいましたが、”大丈夫ですよ”ということで、その日は受診を終えて帰宅しました。

しかし、帰宅してから1時間おきだった発作が30分おき、30分おきだったのが5分、1分、と発作が止まらなくなりました。その日は夜も遅かったので、私は授乳しつつ一晩中続く痙攣発作を見ながら怖くて眠れない夜を過ごしました。震えが止まりませんでした。翌日になり救急車を呼んで病院に行きました。

[姉]も2〜3日後に同じような痙攣発作を発症し、2人とも入院して治療を開始することになりました。

Q:妹さんとお姉ちゃんは同じような症状だったのでしょうか?


(母)2人とも同じような痙攣で同じように発作が出続けました。先生がこっちの1人の発作を見ていたら、もう1人のほうも発作があってという感じで2人合わせて数百回痙攣がありました。昼夜問わず一晩中発作があるような状態でした。


Q:入院中にはどのような治療を?


(母)まずフェノバールの点滴を入れました。効いた感じはありましたが、ぐったりして起きることもない、反応もない、ただ寝ているだけという状況でした。とても見ていられませんでした。医師からは“点滴をしたら痙攣はなくなるんじゃないかな”と言われていましたが、その後もてんかん発作を繰り返しました。

フェノバール、ビタミンB6も効果がありませんでした。痙攣発作が止まらず、重積の状態だったのでACTH治療(副腎皮質刺激ホルモン注射)を始めました。

Q:入院中はお母さまがお一人で双子ちゃんと入院されていたのですか?


(母)子供達は別々のベットで1人は主人が、もう1人には私がというように付き添い入院していました。

Q:退院までの治療経過について教えてください


(母)島根県の病院でACTH治療を始めましたが、痙攣が止まらず毎日ダイアップ(小児けいれん剤/坐薬)を使っていました。そのような状態が怖く、意を決して静岡県にあるてんかんセンターへ転院することにしました。転院後も発作が出続けましたが、ある一定期間を過ぎた頃に発作が落ち着きました。そのタイミングで”自宅に残しているお兄ちゃん達にどうしても会いたい”と医師に相談しました。経過が良いということで一旦治療を断念し帰宅することにしました。しかし退院してからまた痙攣発作が出始めました。

Q:”お兄ちゃん達”ということは双子ちゃんにはご兄弟がいらっしゃるんですね


(母)お兄ちゃんが2人います。今は少し大きくなって小さなお父さんのような存在ですが、双子の妹達の痙攣発症当時はまだ小学4年生と1年生でした。救急車で入院したその日からお兄ちゃんたちと全く会えない状況が3ヶ月間続きました。祖母に保護してもらい、祖母宅から小学校に通えるよう転校しました。家のことが何も出来ず辛かったです。静岡から帰宅し、お兄ちゃんたちと一緒に生活できることが喜びでした。そうした中でCBDに出会えました。


Q:CBDはどのようにして知りましたか?

(母)静岡で一度発作が消失しました。しかしその後も発作が出続ける中で、薬が効いていないというのが実感としてありました。ACTH治療をしても、バルプロ酸やマイスタンを飲んでも、薬を増量しても、一向に効果が感じられない状況でした。漢方薬や他に出来る治療はないかと探し、主人と路頭に迷っていました。そして代替治療を模索する中、聖マリアンナ医科大学病院でのCBD治験の記事を目にしました。治験でも何でも試してみたいと思い、聖マリアンナ医科大学病院に電話をしました。治験の参加は難しいとのことでしたが、日本に“みどりのわ”があるということで紹介して頂きました。それからGreen Zone Japanの正高先生にお話しを伺い今に至ります。


Q:CBDの成分が大麻だというのは始めからご存じでしたか?


(母)大麻なんだ、というくらいにしか思いませんでした。大麻でも何でもいいので代替治療となるものを知りたかったです。


Q:CBDを服用して変化はありましたか?


(父)[妹]の方は、CBDを飲み始めると同時に41℃の発熱が重なりました。初めての発熱で4日間続きました。その後、熱が下がると痙攣発作も無くなりました。発作を出す力がないのかなと感じるほど顔が白く寝たきりの状態でした。CBDが効いたのか発熱が影響したのか時期が重なっていたのではっきりとしたことは分かりません。主治医曰く”発熱による発作の消失はない”そうですが、他の医師に聞くと発熱による発作の消失は“よくある”とのことで様々な意見がありました。それから数ヶ月発作はありませんでした。しばらくして軽い発作が少しあり、以前ほどではないのですが38〜39℃の発熱後からまた発作が止まりました。今も発作がない状態です。

[姉]も同じタイミングでCBDを飲み始めましたが発作はまだあります。

発作の消失には至っていませんが、CBDが効いていないのかというとそういうことでもなく、発作のあとにぐったりとしている状態がなくなりました。起きている時間が増え、CBDの効果が現れていると感じています。

(母)[妹]の方は、CBD服用してから目立った発作がないのでどんどん発達しているのを感じています。特に一番驚いたのは首のすわりです。ここ最近、少しすわってきたかなと思えるくらいまでになりました。あと、笑うようになりました。今まで一度も笑ったことがありませんでした。笑うことが出来るようになり成長を感じます。

[姉]の方はまだ首すわりはありません。発作は続いていますが、CBDで筋緊張が和らいでいてリラックス出来ているようです。身体に動きが出てきて、最近は表情も豊かになったように思います。


Q:CBDは主治医の了解を得て始められたのでしょうか?


(父)そうですね。否定的ではありましたが、“自己責任でやるので使わせてください”とお願いしました。主治医の許可がないと始められないというような正高先生とのやりとりもありましたので、主治医に使用許可を得てCBD服用を始めました。


Q:CBD服用後の変化について主治医は何か仰っておられますか?


(父)以前ほど否定的ではありませんが、快く思われていないように感じます。

(母)主人は先日、抗てんかん薬を増量していく方針の主治医に対し、”抗てんかん薬をなくしてCBD一本にしたい”と伝えました。こちらの思いを伝えたことで、少しずつですが、効果が感じられないと思われる薬を減薬していくことになりました。主治医ともっともっと話合って抗てんかん薬を少しずつでも減量していくことが私達の目標です。


Q:抗てんかん薬を減量してなくしていきたいのはなぜですか?


(母)発作に対して抗てんかん薬が効いている感じがしないこと、そして副作用に悩まされてきたからです。マイスタン、トピナを始めてから、食べ物(ミルク)がむせてしまうことが続きました。飲ませる前と後で発作に変化のない抗てんかん薬は減らしていきたいと考えています。


Q:CBDを使用する中で困っていることや悩まれていることはありますか?


(母)①現在2人とも体重は10kg前後で、CBDは[妹]朝晩3滴、[姉]朝晩8滴舌下に服用しています。CBD量が2人分になるので、結構早く無くなります。CBDがもっと手軽な値段で購入できたらというのが一番ですね。


②マイスタンとバルプロ酸を飲んでいるので、風邪をひいた時に肝機能の数値が一時期悪化しました。そういった時にCBD量を独自の判断で増やしたり減らしたりする怖さが少しありました。心配になり正高先生に相談させて頂きました。[姉]の8滴という量も増やした方がいいのか減らした方がいいのか、迷いながらの8滴です。


③CBDを溶解するオイルはMCTオイルを使っています。以前違うオイルを使っていましたが味がダメで全然飲んでくれませんでした。先日患者会インタビューの記事を読んでいるとココナッツオイルも良いと書いてあったので、今度ココナッツオイルも試してみようかと思っていますが、今は無味無臭のMCTオイルが合っているようです。


Q:現在の生活スタイルやご家族で楽しみにされていることがあれば教えてください


(母)1時間半かかる少し遠方の所までリハビリに通っています。主人と一緒に娘2人を連れて行っています。施設では、それぞれ分かれて先生にリハビリをして頂いています。何をするのも2人分、やることも2倍、時間も倍かかります。

双子の育児と介護は本当に大変で、漁師をしていた主人は育児休暇と介護休暇が取れず退職しました。最初の頃は誰も分かってくれないというネガティブな気持ちばかりが募っていました。しかし、CBDと発熱の経過で発作が和らいでいく中で少しずつ嬉しくなってきました。発作を見る頻度が減り、娘が少し笑うだけでお兄ちゃん達にも笑顔が増えました。みんなに笑顔が増えるとポジティブな考え方ができるようになりました。そうやって家族みんなが笑顔になっていくことを一番にいま考えています。例えば、夜にみんなで好きなテレビを見たり、本を読んだり、家族のその時間が唯一のリラックスできる時間です。今の家族の楽しみは、みんなでナチュラルに過ごすこと、です。


Q:お母さまもその中で息抜き出来る時間が少しはありますか?


(母)息抜きする時間は…まだないですね。訪問看護を利用したらいいと勧められるのですが、まだ慣れていなくて。双子の娘それぞれに看護師さんが家に来てくださるのですが、私が1人で動いている方が気が紛れるというか(笑)


Q:貴重なお話を本当にありがとうございました

最後に、ご意見など何かありましたら是非お聞かせください


初めはCBDが効いているのか効いていないのか分かりませんでした。CBDを飲み続けていることによって、今の成果があるのではないかと感じている最中です。飲み続けてきたからこそ、身体の動きが滑らかだったり出来ることが増えたと感じられるようになりました。長い期間でみて試してみるというのはとても大事なことだと思っています。

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