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患者インタビュー:肺がん脳転移

更新日:2022年10月18日


Sさん 肺がん脳転移 55歳男性 60kg CBD使用歴 2年

『脳転移して7年 夫婦の軌跡』 〜CBDを使っていて思うこと〜 このインタビューを読んだ方の中には”何のエビデンスがあるんだろう”と思うかもしれません。 しかし、私は24時間主人のそばにいてどんどん良くなっているのを見てきているので、脳転移のてんかん痙攣発作で薬が効かなかったり、開頭手術を繰り返して無治療と言われて何もできることがない方がもしいらっしゃるのであれば試されてみてもいいのかな、と思います。(妻)


【1】癌が分かるまで


主人は末期がんで脳に転移して7年になります。 日本人ではないのですが日常生活は日本語で会話しています。 2014年に結婚。当時勤めていた会社の責任者という立場で朝早くから遅くまで働いていて疲れも溜まっていた頃、空咳をするようになりました。 病院ではただの風邪と言われました。風邪薬や抗生物質をもらって飲んでいましたが、2ヶ月間咳が治らず念のためにレントゲンを撮ったところ、両肺が真っ白になっていてすぐに大学病院を紹介してもらいました。 検査をして2015年にステージ4の告知をされました。 軽い風邪だと思っていたので、まさに青天の霹靂でした。




【2】これまでの経緯

​2015年

​左肺原発の肺腺癌/右肺転移/両リンパ転移/脳転移ステージ4告知

2016年

4月 ガンマナイフ1回目

(以降2021年2月までにガンマナイフ15回以上、定位照射2回)

​2019年

​側頭葉のガン腫瘍を開頭手術により切除/脳浮腫/脳壊死/CBD開始

​2021年

3月 緩和ケアの話

​4月 セカンドオピニオン

​4月と8月に増悪した脳転移ガンと脳壊死した部分を開頭手術で切除

夏に余命宣告/秋からアバスチンとテセントリク

​2022年

化学療法(抗がん剤などによる治療)とCBD併用で回復


【3】治療経過


最初は3ヶ月間入院し、抗がん剤と胸に放射線を当てる治療をしました。 首から下の癌はそのときの治療が奏功して進行が止まり今現在は寛解となっています。 ここに至るまで肺やその他、再発や転移は首から下にはありません。 しかし脳転移した癌には抗がん剤がまったく効かず、この7年間は脳の治療ばかりしていた日々でした。 これまでに15回以上のガンマナイフと定位照射を2回行っています。 ガンマナイフを10回以上というのはあまり聞いたことがないのですが、夫は元スポーツ選手で基礎体力もあったため出来たと思います。放射線で脳を焼いてもその先からまた癌が再発し、再発→ガンマナイフ→再発→ガンマナイフを繰り返しました。その後、開頭手術をして側頭葉の癌の部分を切除。それでも腫瘍の増悪が止まらず、脳のむくみ(脳浮腫)や脳壊死が脳全体に広がってしまい、いよいよ他に手が無く2021年春に緩和ケアという話が出るまでに至りました。 しかし治療を諦めることができず、セカンドオピニオンとして国立がんセンターに転院。”もう少し治療しましょう”ということで更に2度の開頭手術をしました。 現在は月に1度、アバスチン(分子標的薬)とテセントリク(PD-1阻害薬)の治療を行なっています。


【4】2019年からCBD開始


首から下の癌はほとんど寛解したとはいえ、脳浮腫や脳壊死という悩みは消えず何か脳に効くようなものはないかと思っていました。私は元々アロマが好きで、長年アロマケアの勉強をしメディカルアロマセラピストという資格を持っています。 抗がん剤の副作用からくる痛みや吐き気、足の痛みなどに良いと考え毎日アロマオイルを使ったマッサージをしていました。そんな折購入先のメーカーがCBDの商品を新発売することに。偶然その発売イベントに正高先生がお越しになっていてCBDの話をしてくださいました。購入している側としてはアロマのセミナーだと思って行ってみたので、私が知らないCBDの話は全く新しいものでした。 CBDに対する偏見などの認識が無いまま先生のお話しを聞いたので、疑問も感じず最初から凄いなと思いました。夫はてんかん痙攣発作が頻繁にあったので、これは奇跡というかチャンスだと思い、このアロマの会社のCBDオイルを定期購入し服用を始めました。 今思えば摂取していたCBDの量が少なかったんだと思いますが、当時はそれほどCBDの効果があるとは感じていませんでした。でもやめることも出来ませんでした。 他社のCBD商品も4つ程試しましたが、味が合わず最終的に現在購入している会社のCBDに落ち着いて続けています。今後みどりのわのCBDを飲む際にはココナッツオイルなどに溶かして飲ませてみようと思っています。


【5】余命宣告


発作があると以前いた病院ではステロイド(点滴)を大量投与します。そうすると脳のむくみが収まると言われ、一時はてんかんの発作が止まったり痙攣発作もなくなっていたのですが、それもだんだん効かなくなっていきました。 その後、がんセンターに転院し、開頭手術を2回受けた後の主人の状態は、  •右半身麻痺  •こちらの言っている言葉は分かる  •単語が全然出てこなくて会話にならない  •イエス•ノーがかろうじて言える程度  •動けない、話せない、食べられない という感じでした。

そして2021年8月半ばに余命宣告を受けました。 その時にもって秋までと言われたのであと2週間か…と思いとてもショックでした。 なにか打てる手はないかと余命宣告されたその日、思い切って正高先生にCBD治療について問い合わせしました。するとすぐにお返事をしてくださり大変感動しました。 正高先生からは率直に  •そこまで状態が悪化しているとその癌にはCBDの効果はあまりないのではないか  •脳転移に対してCBD治療している病院や治験は日本にはない  •飲ませている量が圧倒的に少ないと思う というようなアドバイスを頂きました。




【6】明らかな変化


当初飲ませても効果がないかもと言われていましたが、余命宣告を受けた直後だったこともあり思い切って1日300mg前後飲ませてみることを検討していましたが、購入していたオイルというのが1瓶500mgだったので250mg、2日に1本のペースで与えてみることに。 1瓶1万円以上している商品だったのでかなりの金額ではありましたが、とにかくそこで大量に飲ませてみました。するとその効果か、数日して少し話が出来たり歩けるようになりました。 余命宣告後の診察の際、病院で”無治療ではなくて何かありませんか?”と再度お願いしてみると”意外に体調が落ち着いているからアバスチンをやりましょう”とご提案頂けました。 本来なら緩和ケアの話になるはずでしたが、希望が繋がりました。アバスチンと共にCBDも家で飲ませていたところ、後日の脳の診断画像に明らかな変化が認められました。今まで脳浮腫が雲のようになって脳全体をモヤモヤと影のように覆っていましたが、はっきりと脳が右左に分かれている様子が見え、手術で切ったところの形も確認できたのです。 以前と全く違う変化に医師も“アバスチンだけでこんなに効くかな…”という感じでした。 そして”テセントリクという薬をもう1剤足しましょう”となりました。テセントリク自体は肺ガンの薬なので、既に肺は治っていますが肺から脳転移しているということをエビデンスと考えると効くのでは?ということで、肺が治っている主人にも試しています。他の患者さんでそのような治療がされているのかは分かりません。


【7】CBDの効果を実感


初めてアバスチンとともにテセントリクの治療をした頃に一週間だけ入院しました。血圧や副作用など経過観察のための入院ですが、退院までの1週間でこんなに?と思うほど容態がとても悪化しました。 まず夜が眠れず騒いだり、痙攣発作や今まで全くなかったせん妄が出ました。 訪問医やケアマネさんからも“ちょっと心の準備•覚悟をしたほうがいいですね”と言われました。 コロナ禍でもあり入院中面会は一切出来ず、この時はまだ医師にCBD服用のことを伝えていなかったこともあってCBDを飲ませることが出来ませんでした。 病院では夜間眠れずクエチアピンやリスパダールなどの抗精神薬を処方されていましたが、主人には合わなかったようでその後処方を断りました。退院してからはずっと寝たきりだったので、とにかくCBDを1日に250mg飲ませました。 最初は眠れず騒ぐなどの変な状態が続きましたが、2週間ほどしてからよく眠れるようになり状態が改善しました。これは偶然の一致ではないと側にいて思いました。 CBDを飲んだ後はとにかくリラックスできるようで飲んでいる本人も実感としてあるようです。頭痛や吐き気もほとんど無く、てんかんと痙攣発作も秋から1度もありません。 ステロイドの錠剤を毎日飲んでいましたが、発作がないということで休薬になっています。てんかんの薬はデパケンやイーケプラ、ビムバットなど3種類飲んでいた薬も現在では1種類だけになって、以前の量の半分になっています。


【8】主治医も驚く変化


言葉はまだ話しにくい夫ですが(トイレに)行きたい、食べたいなど、また私の名前を呼べるようになり今では冗談を言えるまで回復しています。 以前は一度倒れてしまうと右の麻痺があるので立ち上がることができず、ある日倒れた夫を私が起こすことができず、本人も脳からの指令がうまく届かず動くこともできないまま歯痒い思いをしながら2人して訪問看護師の方に来て頂くまで待っていた夜もありました。 そんな夫が今では1人でトコトコ歩いているので本当にビックリなんです。 他にも、  •発作やせん妄がなくなり夜眠れるようになった  •日中起きられるようになった  •ご飯を食べられるようになった  •食事が出来ると身体に体温が戻ってきた  •ガサガサだった肌が治ってきた  •介助があれば入浴もできるように など。


〈食事〉 右半身に麻痺があるので食事は私が食べさせています。 昨秋頃は嚥下機能も低下していてお粥のようなものしか食べれませんでしたが、今はカレーや焼きそば、ハンバーグもそのままの形状でパクパク食べられるようになりました。


〈生活面〉 歯磨きはベットの上で私がやっていましたが、今では洗面台に行って自分で出来る様に。 また一時期はオムツをしてポータブルトイレをベット横に置いて這わせるようにして乗せていましたが、自力で自宅トイレまで歩けるようになりました。 入浴については、最初は歩けなかったのでベットの上で身体を拭くくらいでした。そこから週1回くらいの入浴になり、最近は2日1回入浴したいと本人が希望するほど元気になり、今は私1人で入浴介助しています。 これはアバスチンとテセントリクが効いてきたのかCBDのお陰なのか病院で検査しているわけではないので何と言ったらいいのかわかりませんが、驚いています。 寝たきりで動けなかったときとは全然違います。 昨年末に車椅子で散歩に出かけた際には、数メートルですが介助なしで自分で立って歩いたんです。その話を先生に言うと“いや、ビックリですね、信じられません”と言われました。 ”アバスチンやテセントリクでここまで脳に効くことはあるのですか?”と先生にお伺いしてみましたが、新しく出てきた薬なのではっきりとしたお返事はありませんでしたがあまり症例はないようです。他の患者さんのことは個人情報の関係で聞くことは出来ませんが、夫のような効果が出ていることに驚かれている様子でした。




【9】悩んでいること


主治医にCBDを使っているということを言えずにいます。 夫の変化を目の当たりにしてもCBDのことが言えずもどかしい思いです。 前の病院でCBDについて話すと“日本で売っているものは美容と健康のためのサプリメントだからよく眠れたり頭痛に効くくらいのものなのでお金の無駄です”と笑われてしまったことがありました。また訪問医の先生はCBDに関して無知故に”法律違反のものだからそういうのはやめた方がいいんじゃないですか”と2箇所から否定されてしまったので、いつ主治医にサプリメント(CBD)やっています、というか迷っています。 いずれ機会をみて主治医にお話し出来ればと思っています。


【10】今後の治療に対する望み


現在、”夏時点で秋まで生きられない”と言われてからすでに6ヶ月経過してもなお普通に生活できているのでビックリしています。 治療に関しては ①1ヶ月に1度MRIで脳の状態を確認 ②月1回の化学療法(アバスチンとテセントリク) ③CBDを毎日服用 という三本柱で続けていけたらと思っています。 アバスチンとテセントリクで耐性が出来てしまうと今の日本では次の手が無くなるので緩和ケア、と言われています。 正高先生がいつか”CBDだけやる”、”標準治療だけやる”のではなく時には標準治療にプラスしてサポート的な役目としてCBDを使っていくという選択肢もあるというようなことも仰っていましたが私もそれが出来るのであれば一番ありがたいと思っています。


【11】インタビューを受けて


CBDは保険治療ではないので、続けてらっしゃる皆さんも経済的に負担になっていると思います。次回からみどりのわの製品を使わせて頂こうと思っていますが、いずれは研究が進んで病院で普通にお医者様が治療のひとつとして保険治療として処方いただけるようになればと願っています。 癌、特に脳転移の場合、皆さん余命が短いので研究が進んでいないこともあってかCBDを使ってらっしゃる方のお話しを聞く機会があまりありません。私たちがこうやってお話することで他にも使ってらっしゃる方が名乗りをあげてくださればと思っています。他の方の体験談などもお聞きしたいです。


【12】楽しみにしていること


コロナ禍でもあり、ほとんどの時間を家で過ごしています。 先日はサッカーの試合を見ながら一緒に応援するなど夫婦で楽しみました。 コロナが落ち着いたら夫の母国に一時帰国して、定期治療の頃にまた戻ってきて、というように短期間でも海外に行けたらいいなというのをモチベーションにして現在治療を頑張っています。 昨年の8月や10月の頃には”日本を出るなんてとんでもない、動けないですよ”と言われていたんですが、先日の診察では”今の状態だったらコロナ収まったら普通に飛行機乗れるね”と主治医の先生が言うくらい回復しています。


【13】第一回患者会ミーティングに参加して


Zoomでの患者会ミーティング、とても参考になりました。こんなに使ってる方がいらっしゃるんだなとか、1人で使っていると分からないことや飲む量についての質疑など参考になりました。皆さんお忙しいと思うのですが、あのような機会があるとこちらも参考になるのでまた何ヶ月かに1回とかでもいいので開催して頂きたいと思っています。


【14】最後に


私はアロマセラピストとして主人にマッサージをする中で思うことがあります。 アロマは匂いがして気分が良くなるだけでしょ?と思う方もいると思いますが、月に1回だけ、週に1回だけ、量も少しで香りがうっすらする程度だけだとそんなに劇的な効果はほとんど感じられません。 勉強した身でいうと、毎日苦にならない程度にしっかり5分やる、少し濃いめの濃度でやるとかでないと効果として現れません。 先日の患者会ミーティングでも、てんかんの方でCBDの効果が出ないという方のお話しがあった際に用量の話が出ましたが、量が少ないとダメなんだなというのはあの場で身に染みて分かりました。アロマもそうだと思っていたので納得しました。量についてはお金との兼ね合いにはなるのですが、患者会に参加してみるとなぜ効果が出ないのかという原因というか盲点に改めて気付くことが出来ます。 これまでなかなかCBDを使っている方のお話しを聞く機会もなかったので、みどりのわで繋がれるというのは大きいですよね。参加して本当に良かったです。

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